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2005.01.24

老い

前にも書いたのだが、母は病になり、いろんなものが見え、いろんな音が聞こえるようになった。
それは、私には見えず、聞こえなかった。
だが、だからと言って、それは母の妄想だと決め付けてよいものかと私は悩んだ。
母は嘘をついているようには見えなかったから。

後で、脳の誤作動によって、それは母にはちゃんと見え、聞こえていたのだと解り、納得した。

人間は目で見ていると思っているが、それも目と言うレンズに映った物を処理する脳があってこそ。
母のように脳が病気になると、脳の処理の段階で、いろんな映像を挿入したり、耳と言う集音器で拾った音に余計な音をミックスしたりしてしまうようだ。

彼らにとり、それは現実なのだから、周囲の人間が自分に見えないと否定すると、症状は余計に悪くなってしまう。
もし、あなたが見えているものを、他人が「そこにはそんな物は無い」と決め付けたら、あなたは怒り狂うか、相手への不信感を増大させるか、どちらかだろう。
だって、現にそこにあるのだから。

そんな状態を理解できなくて、家族は、つい、言葉の暴力や、実際の暴行に及んでしまう。
家族の病人に対する思いが強ければ強いほど、病人を何とかしたくて傷つけてしまう。

「老いる」と言うことを、家族全員が理解しなければならない。
それがどういうことか、理解できていない老人はこれからどんどん増える。
核家族で、老人と暮らしたことの無い団塊の世代が老いていくのだから。

何気なく歩いている、その一歩が踏み出せなくなり、床に布団を敷いて寝ると起き上がれなくなり、トイレに一人で行けなくなり、なんとか行けても間に合わずに失禁してしまったり、食べた物を飲み込めなくなり、赤ちゃんのように誰かの手を煩わさなければならない時が、いつか来るのだ。

体制を整えることはもちろん重要だ。
家族だけで抱え込もうとすると、次第に老人を虐待するようなことになりかねないから、ケアの力を借りて、周囲が窒息しないようにしていかなければならない。

だが、それ以上に重要なのは本人がどんな老後を目標とするかだ。
どんなに体制が整っても、それを利用するためには、良好な回りの人間との関係が必要だ。

まずは、他人を許し、おおらかに生きることを心がけたほうが良い。
老いの準備のためと言うだけでなく、そのほうが幸せを感じられる豊かな人生になるはず。

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