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2004.08.17

今日、考えたこと 2004.6.2

 今日はとてもよい天気で、爽やかな風の吹く一日だったが、世の中は悲しい事件が続いている。
相変わらず、うすぼんやりといろんなことを考えてみた。

1)本を読めない。
 ミステリーを書いているくらいで、私は推理小説が好きだ。
だが、私は最近、本を買わない。私の読みたい小説が無くなったから。 
悲惨な快楽殺人、意味のない殺戮を描く小説が多くて、読んでいて苦しくなるから読めなくなってしまった。
確かに罪を描かなければ、罪の恐ろしさ、罪の空しさ、罪を犯す人間の心の闇を描けない。
それを描く手段として、殺人を書いているのだとは思うし、自分もそうしている。
でも、面白いから、 うけるからという観点で、殺人を扱うのは危険だ。
子供は、記憶を持たずに生まれるから、目の前にあるものを素直に受けてしまう。
その危険性について、私は以前に書いた。それが確かな形で始まっている。

2)佐世保の殺人事件の報道を見て
 今の子供たちはバブルの崩壊の後、すさんでいく時代に生まれ育っている。
大人は自信を失い、自分のことに必死になり、余裕のない社会生活をしている。
子供はその社会のすさみをもろに被って、夢のない不安な子供時代を過ごしているのだ。
彼らに、生きている楽しさ=悲しいことや苦しいことを含めた人間に生まれた喜び、を教えるのは大人の義務だと思うのだが、こんな状況になっても、大人は国会で意地の張り合いをしている。
あんな姿を子供に見せて、子供がどう受け取るのか考えていないのだろうか?
そんなものを見て育った子供に立派な大人になりなさいと説教できるのだろうか?
私達はテレビやインターネットといった、今までのどの文明も持ったことが無い文明の利器を手に入れた。だが、もしかしたら、パンドラの箱を開けたということなのかもしれない。
映像は残酷なまでに真実を語る場合がある。
あの乱闘をしている国会議員たちが尊敬すべき人間には到底見えないだろう。
そして、そんな人たちが運営をしているこの国に、幻滅するのは無理は無い。
今の日本は足の引っ張り合いや、相手を落としいれようとする大人の姿を映像によって、子供にも見せている。醜い大人の争いを見て、子供たちはののしりあい争うことを当然と受け取る。
だから、それがわかる年代になった中学生や小学校高学年の子供たちに問題が起こるのだ。
つまり、大人の社会の歪みによって、子供がさらに酷く歪んでいると言う事になる。
子供はいつの世でも、ラディカルなものだ。
いろいろ考えたのだが、今日はこれ以上書くのは辞めよう。
あの子がああなった理由について、思い当たる節が山ほどあって気が滅入る。

3)個人保護法
 最近、我が家の近くを、明らかに日本人ではない人が多く歩いている。
世の中にホームレスが増えているというのに、3Kの仕事につく外国人は増えている。
ホームレスになるより、きつい仕事でも仕事に就いたほうがいいのに、どうして就こうと努力しないのかと不思議だったが、ある人の話を聞いていて、その訳に気付いた。
働きたくても働けないのだ。
たとえば、ある人が事業に失敗して、夜逃げする。
昔は夜逃げして、住民票を移せないような人でも、建設現場やパチンコ店などが受け入れてくれた。
そこで、住み込みで仕事をし、また、社会復帰するものも多かった。
ところが、今や建設業界は公共事業がなくなってそれどころではないし、パチンコ店は大卒が就職する花形企業だ。
で、仕事を探しに行くと、住まいはどこですか?と聞かれる。
住まいがはっきりしていなければ、面接もしてもらえない。
そこで、アパートを借りにいく。そうすると、保証人やクレジットカードが必要だという。
夜逃げした身では保証をしてくれる人もカードもあるはずがない。
ということで、一度落ちこぼれた人は社会復帰のしようがない。
すべて、信用審査という名目でネットワークが張りめぐらされているせいだ。
何か事故(払えなかったり、払いが遅れたり)を起こした人は、ブラックリストに載っている。
夜逃げをしたような人が載っていないわけが無い。
そのネットワークはすべての業種に浸透し、社会の活性化を阻み、企業の首を絞め、個人を圧迫している。
つまり、皆が、転ばぬ先の杖を求め、その杖で落ちこぼれの弱者を払いのけているから、弱者はホームレスになるしかないのだ。本来、まじめに働いて自分を立て直す可能性のある人間が、就労の道を閉ざされ、冷たい路上で生活するしかなくなるのだ。
企業にしても、リスクを負うことを恐れ、安全な道ばかり模索する結果、再起の可能性のあるものをも、不良債権にしてしまう道が出来ているのだ。
優秀な金融界や経済界のお歴々はどうしてこのことに気付かないのか……
ま、ホームレスになったことも、経済的に困窮したことも、想像力も、 無いのかもしれないが……
まず、夜逃げしなきゃいけないほど、個人を追いつめるのは犯罪だと法で認めるべきだ。
個人を保護する法律はそんな観点から論議して欲しい。

4)天国の話
 何かで読んだのだが、天国と地獄は同じだという。
素晴らしいところで、人はご馳走を囲んでいる。箸はとても長く、向いに座った人に届くくらいだ。
テーブルは遠いので、長い箸は丁度よいのだが、自分の口に入れるには長すぎる。
天国ではその長い箸で互いに食べさせあって、皆、満足している。
地獄では、その長い箸で自分の口に入れようとして、食べられずに餓えている。
はたして、あなたは、長い箸を持ったときにどうします?

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コメント

タジイさん、コメントありがとうございます。
企業の倫理、ニート、就業形態、収入格差、いろんなことが始まっている現在。
たぶん、すべての問題の根は同じなのだと思います。
根源のところで変わらなければいけない時期に来ているのでしょう。

投稿: maki kuzuha | 2005.11.25 21:26

ニートはもっと誇りを持って♪
私は、ニート、30代の無職者が世間から甘いと呼ばれることは、納得がいきません。この10年で、経済システムが大きく転換しました。
不況下により中流階級層が消えつつあり、上、下の層に分かれており、下の層が、大量の非正規雇用者なのです。正社員になれず、人材派遣会社を転々とすれば、仕事に夢を持てず年収も低く結婚もなかなか出来ず、また企業側は、大量の人件費の削減をこういった若者で安くまかなっており、用無しになれば、派遣会社に通告する。
これでは、人間の尊厳のカケラも無く、働く側も夢を感じないことは、当たり前であるでしょう。
これでは、ニートの若者を責めることは、出来ません。
このような社会システムを作った合理化リストラ経済を欧米から取り入れたものは、日本の多くの企業なのですから。
「タジイの気楽日記」→
http://blog.livedoor.jp/ccc03271/

投稿: タジイ | 2005.11.22 23:22

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受信: 2006.01.13 03:18

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