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2004.08.18

孤独 2004.6.13

何を言っても理解されず、あなたの考え方がおかしいといわれる。
今まであなたが得てきた常識やキャリアを認めず、裏ではあざ笑っているくせに、誰もが一歩引いて、本音を言わない。慇懃無礼に拒否している。
会ったことも見たこともない人たちが、本人を差し置いて、あれこれといかにも理解者の振りをして、毒を含ませた表現で話し合っている。
あなたさえ、きれいで可愛い人形であることを飲み込めば、すべてがうまくいくと押し付ける。
かつて、心身を痛めながらも、姑もそうやって堪えた。あなたに出来ないわけがない。
出来ないとすれば、それがあなたが我儘だからだ。と、陰口を利かれる。

そういう思いをしている人は、結構、世の中には多いのではないか?

自分を自分として受け入れてくれる人と出会えるのは奇跡に近い。
そして、もし、あなたが100%正しいとしても、それを声高に言ったところで、相手が知らん振りを出来る人なら、周りがそういう相手に追随しているなら、それは自分の刀で自分が傷つくだけという結果になりかねない。

そういう絶望を見た人は引き篭もるか、相手を抹殺するかしかなくなる。
で、今の日本では、引き篭もりと殺人が増えている。

あの御手洗氏が咽喉の奥が熱くなり、腹の中をボールが転がると表現した想い……あれを加害者の女児は経験したことがあるのかもしれないと、最近思っている。
彼女は絶望し、もう、どうでもよくなってしまったのだ。
そういう子供の思いを、たいていの大人はたいしたことないと考えてしまう。
あの、イラクの時の自己責任論にも有るように、日本人は最近、他人に対して冷たい。
失敗した人や、挫折した人にたいして、「あんたの責任」で切って捨てるその冷たさは、自分の子供の苦悩も、そんなのは一時の気の迷いと歯牙にもかけない態度になってはいないだろうか?

失敗や挫折をした人は二つに分かれる。
ひとつはその痛みを知ったことにより、人に対して誠意を尽くし、真心で接するようになる場合。
こういう人は周りに助けられ、癒されて、立ち直った人が多い。
もうひとつは、他人が自分に対してしたように冷たく省みない態度になってしまう場合。
確かに、高度成長時代のように活力のある社会ではなんとか自力で立ち直れたことが多いだろう。そういう人は自分もそうだったから、お前も大丈夫と思いやすい。
でも、今の社会はそうではない。
自力で立ち直ろうとしても、その道筋を見つけるのは、精神的にも、経済的にも難しい。
それなのにそういう人を、冷たく突き放し、あまつさえ、足を引っ張る人のなんと多いことか……
情けは人のためならずという言葉を、情けを掛けることは相手が人を頼るようなって、その人のためにならないと解釈する人が多くなっているのがその現れだ。
本当は情けを人に掛けるのは、相手を助けることにより、自分も助けてもらえるようになるし、お互いがよい方向に向かい、社会が潤い、結局、自分のためにもなるということなのだが・・・

 ご自身で乗り越えられない挫折を知らず、キャリアを積んで来られた妃殿下は、ご自分のお言葉の通じない世界に傷つかれ、閉じこもられた。
だが、その挫折の痛みと他人への無理解社会への絶望を乗り越え、新しい皇室やご自身のあり方を構築されていかれることを、お祈りしたい。
妃殿下が公務で慰問なさる人々は、皆、その絶望や痛みを抱いて、それでも頑張っている。
美智子皇后のお言葉に人々が涙するのは、そのお言葉に痛みに堪え、乗り越えられたご自身の感慨が込められているからだ。目の前の苦しみに耐える人々に真の励ましを送ることが出来るのは、ご自身も痛みを知っておられるからだ。
妃殿下は今、ご自分のために苦しんでおられる。思い通りにはならないご自分の人生を嘆いておられる。
傷つき、迷い、悩み、嘆く……そういう負の感情は人間として当然のこと。
私達国民はそういうものと無縁のロボットを国民の象徴に欲しているわけではない。
皇室は祈りの家。国民のために祈りますと天皇陛下は常に言われる。
だが、健やかな心がなければ、人のために涙することも祈ることも出来ない。
だから、妃殿下がお健やかになられるよう、周りの条件を整備していくことは、当然、重要なことだ。
周りの条件のほかに、迷いからに抜け出すには優しく差し伸べられる手が必要だが、その手はすでに差し伸べられている。
あとは、その手を掴む握力を妃殿下ご自身でつけられるしかない。
妃殿下は今の負の感情を昇華なさることによって、さらに、高みに上られ、私達は世界に誇れる次の皇后を得られることだろう。
それが、妃殿下にとって幸せであるかどうかは、また、別な話なのだが・・・
それにしても、存在がすでに仕事であるというのは、辛いことなのではとお察しする。

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